小田急電鉄10000形2006年8月27日追補

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2002年2月、長後にて。イタリアンエクスプレスのカッティングシートが側面に貼られている。

本稿は、2004年2月に本ホームページ用に纏めました。

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概要:
 1987年、開業60周年を機に新たに製作された特急車が10000形である。小田急はこの形式を「HiSE」と呼ぶ事もある。

 7000形登場から7年、7000形が4編成44両と少なかった為か、システム的には7000形と同じかその改良型であって、走り装置に目新しい点は殆どない。外観は塗色が変更された為かそれまでの小田急特急車と違う印象があるが、デザイン的には7000形の延長で、低重心設計を捨て、客室をハイデッカーとしたものである。この車両の特徴は、ハイデッカーと屋根高さの上昇による下枠交差形のパンタグラフの採用にある。

小田急電鉄デハ10000M1c外観図のCADデータはこちら
小田急デハ10000形外観図
小田急電鉄ロマンスカーHi-SE10000形の新宿向き制御電動車デハ10000形の外観図です。
公開されている図面、資料を集成したものです。DXF同梱です。

 制御装置は東芝MM-39A、主電動機は三菱電機MB-3262Aまたは東洋電機TDK-8420A、歯数比は4.21でこれらは7000形と同じである。
 台車は7000形とほぼ同じ構造の住友金属製でアルストムリンク式。先頭電動台車がFS-533B、連接電動台車がFS-533A、連接付随台車がFS-033で、付随台車の基礎制動装置がディスクブレーキから再びシングル式の踏面ブレーキに戻っている。
 7000形のリクライニングシートに対して、背もたれ固定のクロスシートに逆戻りしているが、これは車体のハイデッカー化の為に重量が増加するのを嫌った為であろう。車体長も先頭車が240mm、中間車が500mm延ばされ、車両重量は7000形の267.44tに対して274tと増加している。重量増加及びハイデッカー化による不安定要因を少なくする為か、機器配置の見直しが行われ、重量増加の殆どが末尾5〜7の編成中央に位置する車両に集中している。
 7000形と同じ構成による11車体の連接方式である。7000形同様、両端の台車が付随台車である車輌が存在するが、サハ10000形とされ、初代3000形、3100形と同じく、付随車と電動車の区別をせず、編成毎に末尾番号が揃う様に20番毎に区切って編成内では新宿方から連番になる様に付番されている。
 ちなみに付随車サハ10000形は末尾3、9の車両である。
 座席数は7000形の456座席(車体修理後は454座席)に対して432座席と減少している。
 1987年度に11両編成2本、1989年度に11両編成2本が製造され、4編成44両が出揃った。
 編成全長を延ばし、重量を増加させ、かつ定員は減少すると言った、非効率な車両になるにもかかわらず、60周年をハイデッカーという目新しさで謳う姿勢は理解に苦しむが、このハイデッカーが仇となったのか、登場後16年となる2003年、車体修理を行う時期にさしかかったところで、小田急は置き換え用の特急車50000形の製作を発表、2005年3月の50000形就役後運用を縮小し、10041編成を残して3編成が運用を離脱した。
 2005年8月4日、小田急と長野電鉄は運用を離脱した10000形3編成の内2編成の小田急から長野電鉄への譲渡を発表、8月12日に10021編成と10061編成の2編成が正式に譲渡された。
 譲渡された2編成は日本車輌製造豊川製作所に送られ4両編成に短縮改造の上、4月18日に長野電鉄に納入されている。日本車輌で改造するのに、何故日本車輌製ではなく川崎重工製の編成が選ばれたのか謎である。車両型式は1000系電車となり、デハ10021+デハ10022+デハ10030+デハ10031がデハ1031+モハ1021+モハ1011+デハ1001、デハ10061+デハ10062+デハ10070+デハ10071がデハ1032+モハ1022+モハ1012+デハ1002に改番されている。長野電鉄では長野-湯田中間の特急「ゆけむり」として2006年秋の就役を目指すとしている。
 10001編成は暫く運用離脱していたが、2006年5月に営業運転を再開した模様。

 10000形は1988年鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞している。「ロマンスカー」の威光が鉄道友の会会員に根強い事を窺わせる。
 尚、小田急在籍中の改番は1両もない。

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 履歴:
  ●竣工

 1987年12月4日、10001+10002+10003+10004+10005+10006+10007+10008+10009+10010+10011日本車輌
 1988年1月6日、10021+10022+10023+10024+10025+10026+10027+10028+10029+10030+10031川崎重工
 1989年6月24日、10041+40042+40043+40044+40045+40046+40047+10048+10049+10050+10051日本車輌
 1989年7月10日、10061+10062+10063+10064+10065+10066+10067+10068+10069+10070+10071川崎重工

  ●除籍
 2005年8月12日、10021F、10061F。2編成共長野電鉄に譲渡。

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