小田急電鉄4000形(2代目)2010年11月15日追補

小田急2代目4000形
 2代目4000形。車体標記の書体が従来通りなのがなんだか嬉しいような気も。
 写真は広角(35mm換算で30mm位の画角)で撮っているのにちっともスマートに見えない。おでこまで青くしているお陰か(かつての全日空の航空機みたい)、全体的にひょろんとして見える。
2009年3月、代々木上原

本稿は、2008年5月に本ホームページ用に纏めました。

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概要:
 小田急が、東京地下鉄(東京メトロ)乗入れ用に投入した車両で、小田急としては9000形、1000形に続き3代目の地下線仕様の車両である。2007年9月から運用に就いている。
 車体構造は東日本旅客鉄道(JR東日本)E233系電車を基本とし、補助機器伝送系に冗長性を持たせているのもE233系電車に倣っている。これに使い慣れた三菱電機の制御・駆動装置、東急車輛の台車を組合わせた様な構成である。

 今のところ10両編成のみで、編成構成は新宿方から
 クハ4050(4050)+デハ4000(4000)+デハ4000(4100)+デハ4000(4200)+デハ(4300)+サハ4050(4350)+サハ4050(4450)+デハ4000(4400)+デハ4000(4500)+クハ4050(4550)
 である。

 車体はJR東日本E233系電車を基本としたとしているが、工作上の理由からすそ絞りがないにも拘らず車体が上部に向かって内傾しており、正面のデザインを含め東急電鉄の5000系に大変良く似ている。
 製造区が東急車輛製造なので似てくるのも仕方がないが、3000形で正面の青帯を途中でわざわざ細くしているのに今度の4000形では青の部分を必要以上と思えるぐらい広く採っておりデザインに一貫性がない。
 青帯は従来の青からくすみを少なくした様な若干鮮やかな色で、小田急はこれをルリマツリをイメージした「インペリアルブルー」と呼んでいる(ちなみに、ルリマツリの中で、青いのを「インペリアルブルー」とか「ブルームーン」、濃い青が「ブルーオーシャン」、白いのが「ホワイト」と呼ばれて売られる事が多いんだそうな)。普通の人は言われて気づくかどうかの違いだと思うのだが、青は小田急のコーポレートカラーだからそうは変えるわけにはゆかないのだろう。
 デザインは50000形VSE車でドイツ鉄道ICE3のデザインを小田急に導入した岡部憲明氏が監修したとしているが、目新しさや小田急らしさは殆どなく、先に触れたとおり東急車輛製の電車に良く似た物が既にあり、東急5000系電車と同じであれば監修者としてもOKと言ったところなのかもしれない。
 車体幅は下部の基準面間で2770mm、最大でも2790mmしかなく、同じ地下線仕様だった9000形の車体幅2870mmに比べて100mmも狭くなっている。室内幅も9000形の2665.4mmに対し2570mmと95.4mmも狭く、1000形の2640mmと比べても70mmも狭くなってしまっている。これらの寸法も東急電鉄5000系と同じである。
 床面は3000形で一旦30mm下げて1120mmとしていたが4000形では1130mmになっている。これは東京メトロとの兼ね合いで決定されたものであろう。ちなみに感覚的に電車に乗る時は「上がり」、降りる時は「下る」んだそうで、ホームの基準高の1100mmより電車の床面を下げる事は通常は行われないらしい。
 座席幅は3000形2次車で440mmから450mmに変更されていたが4000形で更に10mm拡げて460mmになっているがこれもE233系電車と同じである。定員は先頭車140名(座席48名)、中間車153名(座席54名)で、3000形と比べると座席数は同じで先頭車で4名、中間車で2名減っている。

 制御装置は三菱電機製MAP198-15V172。IPM2レベルVVVFインバータで冷媒に水を使用した走行風冷却式としている。容量は3300V-1200Aで3000形と同じである。主電動機4個制御2群でこれを4000、4200、4400番代の車両に搭載、これらの車両の小田原方にはパンタグラフが載っている。パンタグラフ相互間には母線が引き通されている。
 主電動機は三菱電機製で定格190kWのMB-5123-A。これは3000形でテストされた全密閉式と同じ物の様だ。
 駆動方式は小田急愛用のWN駆動。歯数比は96:17=5.65。2002年度生産分以降の3000形の6.06と比べ若干高速寄りに設定されているが起動加速度は同じ3.3km/h/s。なぜか最高速度は120km/hから110km/hに下がっている。走り出す時はそれなりにブーストするが、あんまり回して欲しくないといったところか。
 制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式で、編成滑走制御を新たに採用している。
 台車は電動台車がTS-1033、TS-1033A、付随台車がTS-1034、TS-1034Aで、電動台車は軸ばねの違いにより2種の使い分け、付随台車は先頭車の前位がTS-1034Aでこれには駐車ブレーキが装備されている。基礎ブレーキ装置はシングル(方押し)式で、付随台車は1軸2ディスクのディスクブレーキ併用である。
 冷房装置は58.14kW(50000kcal/h)のMCU720形を各車両1台搭載している。
 補助電源装置は2レベルIGBT-SIVで容量260kVAのOE-SC86を4100、4500番代の車両に搭載している。
 電動空気圧縮機はスクロール式で容量1600L/minのMBU-1600Y-2を編成中3台搭載。2007年度製造分の4047Fまでは4050、4350、4550番代車に、2009年度製造分の4058F以降は4050、4350、4500番代車に搭載している。

 吊革の本数は先頭車145本、中間車158本で、横方向に渡された部分の本数が4本から3本に減らされたのが効いていて大分減っているが、これでもまだ3000形以外の小田急車よりも多い。

 2007年度に10両編成7編成が計画され、2007年9月から順次投入、1000形の6両+4両の10両編成の地下線仕様車と置き換わって東京メトロ乗入れをを主に運用されている。
 2008年度は小田急では鉄道車両の製造はなく、2009年度に10両編成4本40両が製造され、1000形の10両編成を地上線に回し、地下線運用からの1000形の駆逐が完了した。地上線に回った1000形により5000形の廃車が進んでおり、同数の40両の5000形が廃車になっている。4000形の2009年度末の総数は10両編成11本110両になった。
 2010年度は10両編成2本20両の製造が計画されており、これにより2010年度末の総数は10両編成13本130両になる。
 地下線運用を含んだ10両固定編成の運用が10運用で、その内、地下線のみを回る運用が9運用である事から、ほぼ4000形で賄える事と、編成構成が付随車が下り寄りにあってかつての小田原寄りに4両編成が付くいわゆる逆10両編成の構成で、4両編成+6両編成の10両編成組成時との取り扱い上の互換性が配慮されていないなど、今後地上線用を含めた増備が行われるかどうか微妙な感じである。
 小田急は、近郊各停区間の現状の8両編成を複々線化工事の完了後に10両編成にすると発表し、2010年度にはこれに応じるように3000形6両編成2本を10両編成にするとしている。今後は8両編成をバラした4両編成にも何らかの措置を施す物と思われるが、昨年度末に5000形6両編成を4両編成に短縮する一方で、今年度は6両編成を10両編成化しているから、まずは6両編成の整理をすると言う方向である。
 個人的な希望としては、今後間を置いて幅広車体の地上線用車両が登場し、車両性能を使いこなした保安設備の整備とあわせ、少しでも乗客のストレスを減じる方策を講じてくれるものと願うものである。現状では小田急の電車はダルなダイヤに対して性能が過剰である。

 履歴:
  ●竣工

 2007年7月23日、4051+4001+4101+4201+4301+4351+4451+4401+4501+4551東急車輛
 2007年7月30日、4052+4002+4102+4202+4302+4352+4452+4402+4502+4552東急車輛
 2007年8月10日、4053+4003+4103+4203+4303+4353+4453+4403+4503+4553東急車輛
 2007年9月26日、4054+4004+4104+4204+4304+4354+4454+4404+4504+4554東急車輛
 2007年11月12日、4055+4005+4105+4205+4305+4355+4455+4405+4505+4555東急車輛
 2007年12月10日、4056+4006+4106+4206+4306+4356+4456+4406+4506+4556東日本旅客鉄道新津車両製作所
 2008年2月28日、4057+4007+4107+4207+4307+4357+4457+4407+4507+4557東急車輛
 2009年7月30日、4058+4008+4108+4208+4308+4358+4458+4408+4508+4558東急車輛
 2009年11月12日、4059+4009+4109+4209+4309+4359+4459+4409+4509+4559東急車輛
 2009年12月3日、4060+4010+4110+4210+4310+4360+4460+4410+4510+4560東急車輛
 2010年2月12日、4061+4011+4111+4211+4311+4361+4461+4411+4511+4561東急車輛

参考文献:
 鉄道ピクトリアルNo.723(2002/10増刊、新車年鑑)P.132-133「小田急電鉄3000形」
 鉄道ピクトリアルNo.738(2003/10増刊、新車年鑑)P.143-144「小田急電鉄3000形(2次車)」
 鉄道ピクトリアルNo.738(2003/10増刊、新車年鑑)P.145-147「東京急行電鉄5000系・5080系」
 鉄道ファンNo.557(2007/9)P.56-69「新車速報小田急電鉄4000形」
 鉄道ジャーナル No.493(2007/11)P.96-99「小田急電鉄4000形」
 鉄道ピクトリアルNo.810(2008/10増刊、新車年鑑)P.167-169、211-212、245-246「小田急電鉄4000形」の項及び諸元表、車両データ(諸元表に記載位置ズレ、誤記あり注意!)
 オダキュウボイスvol.14(2009年5月号)「2009年度鉄道事業設備投資計画」
 小田急時刻表2009年ダイヤ改正号(交通新聞社)
 鉄道ピクトリアルNo.829(2010/1増刊、【特集】小田急電鉄)P.272「現役車両プロフィール 岸上明彦」、P.316「主要諸元表」(不確かな知識によると見られる転記ミスが散見される。要注意)
 小田急電鉄ニュースリリース2010年4月30日「2010年度の鉄道事業設備投資計画」
 鉄道ピクトリアルNo.840(2010/10増刊、鉄道車両年鑑)P.215車両データ

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