東日本旅客鉄道E233系電車
2010年3月28日追補。

E233系電車1東海道線に当初1編成だけ投入されたE233系電車。2年あまり後の2010年に1本増備された。
ドアにもラインカラーが付いているのが目新しいが、なぜかラインカラーを白い飾りでちょん切ってデザインされている。
辻堂-茅ヶ崎、2008年4月。

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本稿は2008年4月に纏めました。
JRの電車は構成が複雑なので纏めるのが大変なのだ。

概要:
 E217系電車で近郊型電車に4ドアを導入し、E231系電車で近郊型電車と通勤型電車を統合したJR東日本の、近郊路線に投入する事を前提として生まれた4ドア通勤車である。

 基本的には統合版第一弾のE231系電車の交直流版のE531系電車で加えられた改良点を反映させ、更に主要機器の二重系化を図って冗長性を持たせた直流版がこのE233系電車といえる。
 まず2006年9月に中央線快速用が東急車輛製で竣工、追って新津車両製作所製、川崎重工製が登場、その後も増備されている。
 中央本線・青梅線・五日市線用の0番代、京浜東北線用の1000番代、常磐緩行線用で東京メトロ千代田線乗り入れ対応の2000番代、東海道本線用の3000番代があり、これとは別に京葉線用が計画されている。
 計画数量は、0番代が10両編成42本、6両編成28本、4両編成10本の688両、1000番代が10両編成83本830両、2000番代が10両編成18本180両、3000番代が10両・5両各編成2本30両、京葉線用が250両とされており、総数は1978両になる。
 形式は、クハE233(奇数向き制御車:Tc)、クハE232(偶数向き制御車:T'c)、モハE233(主制御装置搭載奇数側電動車:M)、モハE232(偶数側電動車:M')、サハE233(付随車T)、サロE233(2階建てグリーン車で便洗面所付:Ts)、サロE232(2階建てグリーン車で車掌室付:T's)の7形式がある。

各線区用共通仕様
 E231系電車の様に通勤型仕様と近郊型仕様で乗務員室の形状を変える事はなく、E233系電車では通勤型仕様もE231系電車の近郊型仕様に相当する衝撃吸収構造で統一され、この為、通勤型仕様の制御車の定員がE231系電車に比べ5名(内、座席定員が4名)減っている。
 車体構造はほぼE231系電車の近郊型仕様に準じている。内装もほぼ同じだがロングシートの座席幅が450mmから460mmに拡げられた分、出入り口周りは狭くなっている。
 台車形式は付随台車がTR255系、電動台車がDT71系で、主電動機がMT75。電動機出力はE231系電車のMT73の95kwに対し140kwと大幅に余裕を持たせ、歯車比は14:99=7.07から16:97=6.06へと下げられており、足回り全般はE531系電車とほぼ同じである。
 ただし、E531系電車で130km/h対応として台車に取り付けられていたヨーダンパはE233系電車の通勤型仕様には装備されていない。
 制御装置は2レベルのIGBT-VVVFインバータで電動機4個制御2群、容量は3300V-1200A、型式はSC85、SC85B(2000番代)となっており、E231系電車の様に通勤型仕様に3レベル、近郊型仕様に2レベルといった造り分けはしていない。
 最高速度は120km/hとされ、加速度は2000番代を除いて2.3km/h/s、2.5km/h/s、3.0km/h/sに設定可能で、2000番代のみ3.3km/hに設定されているが、これは千代田線の要求仕様である。
 空気圧縮機はスクリュー式で1600L/minのMH3124-C1600SN3。
 パンタグラフはシングルアーム式のPS33系。
 冷房装置は普通車がAU726系(50000kcal/h)1台、グリーン車がAU729系(20000kcal/h)が2台である。

0番代
 201系電車の置き換え用に2006年9月に登場した中央本線・青梅線・五日市線用の通勤型仕様で車輌の仕様は10両編成を基本としている。
 製造区は東急車輛製造、川崎重工業、東日本旅客鉄道新津車両製作所で10両固定編成42本、6両+4両分割編成15本、青梅・五日市線用6両編成13本、4両編成10本の合計688両の製造が予定されている。

 編成は、下り(高尾)方から、10両編成が
 T'c+M'(400)+M(400)+T+T(500)+M'(200)+M(200)+M'+M+Tc
 4両編成が
 T'c+M'(600)+M(600)+Tc(500)
 6両編成が
 T'c(500)+M'(200)+M(200)+M'+M+Tc
 で、4両+6両で10両編成組成時と10両編成で電動車の位置が揃う様に配慮されている。
 制御車に空気圧縮機装備で500番代が自動電気連結器装備、付随車の500番代が空気圧縮機装備、電動車ユニットは200番代がM'のSIV未装備でMのパンタグラフ1基、0番代・600番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフに予備があって2基、400番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフ1基である。
電動車ユニットの0番代と600番代に仕様上の違いは見られないが、諸元はM(600)が0.1t軽い。同様にM(200)よりM(400)が0.3t重い。M'は0・400・600番代とも32.5tで揃っている。M車(モハE233)に細かな装備に違いがある事が推察される。
 加速度は3.0km/h/sに設定されている。
 情報提供装置(VIS)は15インチの液晶ディスプレイがドア上部に2台並べで設置されている。
 補助電源装置は静止形インバータ(SIV)で260kVA。型式はSC86。
 ドアは半自動機能付きで、半自動ボタンが設置されている。
 保安装置はATS-P形とATS-SN形を併設、P形は待機二重系で並列稼動させ片側故障時でも運転継続可能な構成である。

E233系電車0
中央線に投入されたE233系0番代。
何故かこの0番代車だけ正面の塗り分けが異なり、列車番号表示が独立しておらず正面上部の表示機の内部で行っている。
神田、2009年2月。

1000番代
 209系電車の置き換え用に2007年9月に登場し、年末から運用に就いた京浜東北線・根岸線用の通勤型仕様で10両編成である。
 予定されていた10両編成83本830両の製造が完了し、2010年1月に京浜東北線・根岸線から209系電車の駆逐が完了した。

 編成は、南(大船)方から、
 T'c(1000)+M'(1200)+M(1200)+M'(1000)+M(1000)+T(1000)+M'(1400)+M(1400)+T(1200)+Tc(1000)
 で、付随車の1000番代に整流装置装備、電動車ユニットは1200番代がM'のSIV未装備でMのパンタグラフ1基、1000番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフに予備があって2基、1400番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフ1基である。
 概ね0番代同様であるが、空気圧縮機が0番代では制御車、付随車の500番代に装備であったが1000番代ではM'車に装備されている。
 加速度は2.5km/h/sに設定されている。
 情報提供装置(VIS)の液晶ディスプレイは0番台の15インチから17インチワイドに変更になり、ドア上部に2台並べで設置されている。
 補助電源装置は静止形インバータ(SIV)で型式はSC86A。
 ドアには半自動機能はなく、半自動ボタンも無い。
 保安装置はD-ATCを搭載している。

E233系電車1000
京浜東北・根岸線に続々と投入されているE233系1000番代。
桜木町、2008年4月。

2000番代
 203系、207系電車の置き換え用に2009年5月に登場し、2009年9月から運用に就いた常磐線緩行線用の東京地下鉄千代田線乗り入れ対応の通勤型仕様で10両編成である。
 車体は千代田線の車両限界の関係で裾絞りのないストレート車体となり、幅は2770mm、室内幅は2570mmとなっているが、これは東急電鉄5000系と同じである。
 同じ車体をベースとし、一部で同じ区間を走行する小田急電鉄4000形とも良く似ている。小田急が外部のデザイナーを起用して小田急らしさを捨てているのに対し、JR東日本は前面の非常扉の支柱を表示機の下で止め、他のE233系電車とのデザインの共通性をある程度維持している。
 10両編成18本180両の製造が予定されている。

 編成は、南(綾瀬)方から、
 T'c(2000)+M'(2200)+M(2200)+T(2000)+M'(2000)+M(2000)+T(2200)+M'(2400)+M(2400)+Tc(2000)
 で、付随車の2000番代に整流装置装備、電動車ユニットは2200番代がM'のSIV未装備でMのパンタグラフ1基、2000番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフに予備があって2基、2400番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフ1基、空気圧縮機はM'車に装備されており、付番構成は1000番代に+1000した形になっている。
 加速度は3.3km/h/sに設定されている。
 ドア上部の情報提供装置の液晶ディスプレイが17インチワイドなのは1000番代同様だが、1000番代では2台並べられていたのが2000番代では1台になっている。
 補助電源装置は260kVAの静止形インバータ(SIV)で型式はSC91。
 ドアには半自動機能はなく、半自動ボタンも無い。
 保安装置はATC10形、ATS-SN形を併設している。
 前部標識灯は他のE233系のHIDランプではなく、シールドビームである。

3000番代
 E217系電車の機器更新工事に伴う予備車確保用に2007年11月に登場し、2008年3月から運用に就いた東海道本線用の近郊型仕様で基本10両編成と付属5両編成がある。
 3000番代は1編成15両のみで当面増備は行われないと言われていたが、2010年2月に第2編成が登場し、2010年3月から旅客運用に就いている。見たところ東急車輛製である。横須賀線の運用の関係による増備と思われ、211系電車を置き換える計画は今のところ無い様だ。

 編成は、下り方(1号車)から、10両編成が
 T'c(3000)+M'(3400)+M(3400)+T's(3000)+Ts(3000)+M'(3000)+M(3000)+M'(3200)+M(3200)+Tc(3000)
 5両編成が
 T'c(3500)+T(3000)+M'(3600)+M(3600)+Tc(3500)
 で、電動車ユニットは3200番代がM'のSIV未装備でMのパンタグラフ1基、3000番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフに予備があって2基、3400番代がM'にSIV装備でMのパンタグラフ1基である。
 概ね1000番代同様であるが、空気圧縮機が3000番代ではM'車の他にT車にも装備されている。
 また、E231系電車の編成構成に合わせ、1・2・9・10・14・15号車(T'c(3000)、M'(3400)、M(3200)、Tc(3000)、M(3600)、Tc(3500))がセミクロスシートになっており、車椅子対応の便所が1・10・11号車(T'c(3000)、Tc(3000)、T'c(3500))に設置されている。E531系電車で便所の面積を拡大したのにE233系電車ではE231系電車の面積に戻っている。
 E231系電車ではグリーン車のみに装備されていた台車のヨーダンパが、E531系電車同様全車に取り付けられているが、最高速度はE531系電車の130km/hではなく、通勤型仕様と同じ120km/hのままである。また、加速度は2.3km/h/sとE231系電車に合わせ一番低い設定にされていて、全体的に動力性能を持て余す設定である。
 個人的な感想では、E231系電車とE233系電車では台車のヨーダンパの有無による明確な乗り心地の違いは感じられず、ヨーダンパの設置が最高速度にも反映されていないから、走行安定性とか、何か別な理由があるものと推察される。
 情報提供装置のディスプレイはE231系電車と同様のLED2段表示に逆戻りしており、ドア上部に設置されている。
 ドアは半自動機能付きで、半自動ボタンが設置されている。
 保安装置は0番代と同じ待機二重系のATS-P形と、JR東海乗り入れ用の速度照査機能付のATS-SN形を装備している。
 ちなみに車体のラインカラーの緑はJR東日本のコーポレートカラーでかつての湘南色の緑より明るく、これと橙色の組み合わせである。

E233系電車3000-2
 東海道本線へは、E217系電車の入替えで投入されたのに、なぜか投入当初E231系電車の基本10両編成の運用に就いていたE233系電車。
 自動電気連結器が付いた基本10両編成の東京寄り先頭車が表に出る事は今後そう多くは見られないだろう。
 写真に見られるように電光表示のラインカラーは緑。中央線快速用が橙なので東海道線用は緑という事になったのだろう。

2008年3月、東京駅。

参考文献:
 鉄道ピクトリアルNo.692(2000/10増刊)新車年鑑2000年版P.35-38、167(E231系電車の項及び諸元表)
 鉄道ピクトリアルNo.767(2005/10増刊)鉄道車両年鑑2005年版P.61-63、88(E531系電車の項及び諸元表)
 東日本旅客鉄道プレスリリース2007/3/6「常磐緩行線(東京メトロ千代田線直通)に新型電車を導入」
 鉄道ピクトリアルNo.795(2007/10増刊)鉄道車両年鑑2007年版P.76-78、113、203(E233系電車の項及び諸元表、車両データ)
 鉄道ジャーナルN0.494(2007/12)P.92-97「E233系1000代の概要」
 鉄道ジャーナルN0.498(2008/4)P.106-107「E233系3000代の概要」
 鉄道ピクトリアルNo.824(2009/10)P.97-101「JR東日本E233系2000番代」
 東日本旅客鉄道プレスリリース2009/9/2「京葉線に最新型電車を導入」

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