東日本旅客鉄道E257系電車
2009年6月12日写真追加

E257系電車1
 土日に東海道線を走っていたE257系電車基本番代車のライナーの回送。
 正面はなんだかインベーダーゲームのインベーダーみたいな感じ。少なくともあんまり速そうには見えないし、見せる気もないのかもしれない。
 2008年3月ダイヤ改正で湘南ライナーは整理され、E257系電車の東海道線乗り入れがなくなり、富士山をバックに走る姿は見られなくなった。
辻堂-茅ヶ崎、2008年2月。

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本稿は2008年5月に纏めました。
JRの電車は構成が複雑なので纏めるのが大変なのだ。

概要:
 JR東日本は1993年に同社初の振子電車のE351系電車を中央東線に投入、183・189系電車を置換え、中央東線の輸送力増強、速達化を図るとしていたが、何故かE351系電車の製造は12両編成5本の60両で打ち切られ、他のJR各社と違って振子電車の使いこなしを断念した様だ。
 代わりに183・189系電車の置換え用として2001年に登場したのがこのE257系電車である。中央東線の他に同じく183系電車が使われていた房総特急にも投入され、目論見通り183・189系電車の大部分を置換えた。

 基本的には1997年に登場した汎用性重視のE653系交直流電車の直流版で、車体、走り装置は殆どE653系電車と同じである。
 E257系電車は汎用性重視であるから、本来ならば255系電車の後に続く電車として先に房総特急の183系電車代替に投入すべき電車だと思うのだが、 なぜか曲線の多い中央東線に振子電車のE351系電車に続く新型車として最初に投入された。
 「スーパーひたち」651系電車に対する汎用型E653系電車と似た構図で、「スーパーあずさ」E351系電車の後にE351系電車の改良型ではなく汎用型のE257系電車を持ってくる というのは、つまりはJR東日本は振子電車を使用した中央東線の高速化は不必要と判断したという事らしい。1994年から1999年にかけてE991系電車(TRY-Z)とい う試験車を使って得た結論がこれだとすると、E991系電車とは高価な「技術者のおもちゃ」だったのかもしれない。

 まず2001年5月に中央東線用が日立製作所で竣工、追って近畿車輛製、東急車輛製造製が登場している。
 2004年7月に房総特急用の500番代が日立製作所で竣工、追って近畿車輛製、東急車輛製造製が登場している。
 中央東線用の0番代、房総特急用の500番代があり、数量は、0番代が9両編成16本、付属編成2両編成5本の154両、500番代が5両編成19本95両で、総数は今のところ249両である。
 形式は、クハE257(奇数向き制御車:Tc)、クハE256(偶数向き制御車:T'c)、クモハE257(奇数向き制御電動車:Mc)、モハE257(主制御装置搭載奇数側電動車:M)、モハE256(偶数側電動車:M')、サハE257(付随車:T)、サロハE257(グリーン車・普通車の合造車:Ts)の7形式だが、モハE257に関しては1000・1500番代車は電動機4個制御の制御装置を積んでいて単独使用である為、実際は電動機8個制御の制御装置を積みモハE256とユニット を組む0・100・500番代車とはかなり異なる。
 最高速度は130km/hとされている。

基本(0)番代
 183・189系電車の置き換え用に2001年5月に登場した中央東線用で編成構成は基本9両編成と付属2両で、付属の連結側クモハE257の運転台は簡易運転台である為、2両編成では営業運転は行えない。
 製造区は日立製作所、近畿車輛、東急車輛で2002年9月までに9両編成16本、2両編成5本の合計154両が出揃い、同年12月で183・189系電車の定期列車を全て置き換えた。全車松本車両センターに配置されている。

 編成は、9両編成が下り(松本)方11号車から、
 T'c+M'(100)+M(100)+Ts+T+M(1000)+M'+M+Tc(100)
 2両編成が下り方2号車から
 Mc+Tc
 である。
 車体構造はE653系で実績のあるアルミ合金の中空押出形材使用によるダブルスキン構造で車体外寸は同じだが、側窓の天地方向が82mm、前後方向に100mm拡がって852mm×1600mmになっている。
 車体のカラーリングは桃色、碧色、黄色、青紫、銀色で夫々春の花、夏の木の葉、秋の紅葉、冬の山々、八ヶ岳やアルプスの嶺なんだそうだ。
 座席はリクライニングシートで普通車がシートピッチ960mmでE653系電車に比べ50mm広く、グリーン車が標準的な1160mmで共に4列配置である。テーブルは座席背面にあって向い合せ時には使用できない。
 制御車の100番代が貫通路付きで自動電気連結器装備、電動車ユニットはM'(5・10号車)に自動販売機設置で0番代のM'(5号車)に公衆電話、100番代のM(9号車)にフリースペース設置、付随車(サハE257=T、7号車)に多目的室と車椅子対応座席及び洗面所が設けられている。便洗面所は1・3・5・7・8・10号車の新宿寄りにある。
 11両編成で番号区分が11種類という構成で、固定編成になっている。
 座席定員はクハE257が52名、クモハE257が68名、モハE257(0・1000)が72名、モハE257(100)・クハE256が64名、サハE257が54名、サロハE257が普通座席24名グリーン座席28名の52名で、基本9両編成で558名、11両編成で678名である。
 台車は車輪径860mm、軸距2100mmとコンベンショナルな数値で、形式は付随台車がTR249系、電動台車がDT64系で、主電動機が一時間定格出力145kwのMT74A。歯車比は17:96=5.65で、足回り全般はE653系電車とほぼ同じである。
 E231系電車で導入された車両情報管理システム(Train Information Management System:TIMES)が用いられている。
 制御装置は2レベルのIGBT-VVVFインバータでE653系電車の3レベルから簡素化されている。モハE257(0・100)が電動機8個制御のSC67でモハE256とユニットを組み、クモハE257とモハE257(1000)が電動機4個制御のSC68で単独である。
 制動装置は回生・発電ブレンディングブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、この辺はE351系電車の経験で決まったのだろう。
 パンタグラフはシングルアーム式のPS36形である(余談だが、新造車用のパンタグラフが原則としてシングルアーム式に切替わったのはE257系電車が登場した2001年なんだそうである)。
 冷房装置は36000kcal/hのAU302を床下に装備している。
 補助電源装置は静止形インバータ(SIV)で210kVAのSC69をモハE256に、110kVAのSC70をクハE257(0)に積んでいる。
 編成重量は9両編成で306.1t、11両編成で377tで振子電車のE351系電車より軽い。曲線はともかく、動力性能はE351系を凌ぐものと推察される。
 183・189系電車6M3Tの9両編成との動力性能の差は歴然としており、小淵沢の勾配では183・189系電車は助走をつけて全力で力行しても60km/h程度まで速度が落ちてくるのにE257系電車やE351系電車は100km/h程度の速度を維持して余裕で登り切ることができる。
 2002年12月ダイヤ改正で183・189系電車からE257系電車に置き換えられた列車では所要時分の短縮が図られている。

E257系電車車内
 E257系基本番代普通車の室内。車体配色に合わせ、斜めに四角模様が配置されている。平日夜間上り「あずさ」の車内で、岡谷辺りまではこの通りでガラガラ(指定席の方が込んでいたりする)。甲府で東京へ戻るビジネスマンが酒を片手にどっと乗ってきて一気に酒臭くなる。
 荷棚上部の色は写真の薄緑色の車両と、ピンク色の車両がある。房総特急用には黄色もあるようだ。
2002年9月。

E257系電車2
 貫通路側はこんな感じ。
 どちらかといえば、貫通路付のデザインに非貫通側を合わせたような感じである。
 写真は東海道線乗り入れライナーの土日戻り回送列車。
 211系電車との併走も2008年3月ダイヤ改正で見られなくなった。
2008年2月、辻堂-茅ヶ崎。

500番代
 183系電車の置き換え用に2004年7月に登場した房総特急用で2004年10月ダイヤ改正から就役している。編成構成は5両編成で10両運転に備えて先頭車は前面貫通路付である。
 製造区は日立製作所、近畿車輛、東急車輛製造で5両編成19本、合計95両が2005年10月までに出揃った。全車幕張車両センターに配置されている。

 編成は、上り(東京)方1号車から、
 T'c(500)+M(1500)+M(500)'+M(500)+Tc(500)
 である。
 車体構造は0番代とほぼ同じだが内外装の配色は変えられている。
 車体のカラーリングは青、黄色、白で夫々深みのある太平洋(房総特急のイメージカラーらしい)、明るい陽光と房総に咲く菜の花、夏のビーチなんだそうだ。 
 制御車は100番代同様貫通路付きで自動電気連結器装備、電動車ユニットはM'(3号車)に公衆電話、1500番代のM(2号車)に多目的室と車椅子対応座席及び洗面所、車販準備室が設けられている。便洗面所は2・3・5号車の東京寄りにある。
 5両編成で番号区分が5種類という構成で、0番代と同様、固定編成になっている。
 座席定員はクハE257が52名、モハE257(500)が72名、モハE257(1500)が54名、クハE256が64名で、5両編成で306名である。
 台車形式は付随台車がTR249D及びTR249E(先頭車前位)で、電動台車がDT64B、主電動機が一時間定格出力145kwのMT74Bとされており、細かな変更が行われて、追い番が変わっている様だ。
 制御装置は2レベルのIGBT-VVVFインバータでモハE257(500)が電動機4個制御2群のSC78でモハE256とユニットを組み、モハE257(1500)が電動機4個制御のSC79で単独である。インバータの改良は著しく、補助電源装置を含め、型番はコロコロ変わっている。
 パンタグラフはシングルアーム式でPS33Bを手直ししたPS37形で、0番代のPS36形と互換であるとしている(じゃなんでPS33xと付番してないのかと思うのだがそうなっている)。
 コンプレッサーはスクリュー式のMH3122-C1400Sとされていて両先頭車に搭載されている。 
 空調装置は36000kcal/h(冷房42kw・暖房20kw)のAU302Aを床下に装備している。これとは別に室内に10kwの補助暖房装置を備えている。
 補助電源装置は静止形インバータ(SIV)で210kVAのSC80をモハE256とクハE256に積んでいる。
 編成重量は180.6tである。機器の配分を変更したのか、0番代車とほぼ同じ仕様同士の車両を比べても同じ重量の車両はない。
 保安装置はATS-P形・ATS-SN形を装備している。


E257系電車500番代
 おはようライナーとして横須賀線に遠征している500番代車。
 菜の花の黄色(ドア)がなぜか砂浜の白(車体)の真ん中にあったり(枯れてしまいそうだ)、太平洋の青が砂浜の白より下にあったりと、色配置はイメージとは程遠い感じである。側面窓周りは青で良いと思うのに、なぜか態々黒く塗られていて、0番代車と比べて暑苦しい感じがする。
 正面の黄色はスカートまではみ出しており、全体的にスズメバチみたいな顔である。
大船、2009年4月。

参考文献:
 鉄道ピクトリアルNo.660(1998/10増刊)新車年鑑1998年版P.37-39、172(E653系の項及び諸元表)
 鉄道ピクトリアルNo.723(2002/10増刊)鉄道車両年鑑2002年版P.67-69、102、168(E257系の項及び諸元表、車両動向)
 鉄道ピクトリアルNo.738(2003/10増刊)鉄道車両年鑑2003年版P.46、186(JR車両動向、車両データ)
 東洋電機技報 第109号(2003/11)P.7、技術年史
 近畿車輌技報 第11号(2004/11)P.45-47、新製品紹介E257系500番代特急電車
 鉄道ピクトリアルNo.767(2005/10増刊)
鉄道車両年鑑2005年版P.40、57-59、113、87-88、194(JR車両動向、E257系500番代の項及び諸元表、車両データ)
 鉄道ピクトリアルNo.781(2006/10増刊)鉄道車両年鑑2006年版P.184(車両データ)
 東日本旅客鉄道株式会社公式ホームページ、E257系あずさ・かいじの車両設備案内

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