鉄道データファイルを読む

2006年7月1日追記

本稿は2005年10月に本ホームページ用に纏めました。

前書き
 私自身、今まで色んな鉄道雑誌・書籍を読んできていて、一時期300冊を超える蔵書を持っていましたが、引越しの時に大量処分してしまいました。
 それから暫くたって、2004年明けから週刊鉄道データファイルというのがデアゴスティーニ・ジャパンから刊行されているので情報の整理を兼ねて創刊号から毎号買うようになりました。しかし・・・。
 ここでは、鉄道データファイルを読んで、私自身気が付いた点を書き記す事にします。一部内容は「雑談」のページと重複しますが、これは、あれと思う部分が続々と現れ、独立したページにした方が良いと考えたからです。
 このページは随時追記・修正してゆきます。
 2ちゃんねると酷似した記述がありますが、これは2ちゃんねるに私自身が書き込んでいるからですので勘違いなさいませんように。

 ちなみに、下を読めばお分かりの様に、明らかな間違いも多々あるにも拘らず訂正する気配もなく、間違いを繰り返している執筆者に継続して執筆させていると思われ、その上、追加シート頻発で終わりも見えない事から、私個人は122号をもって購読を打ち切る事としました。
 間違いに気が付いてイライラする事もなくなり、精神衛生上も良くなりました。

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●車両基礎ガイド1
 EF66、ED76共に、枕バネが指し示しているのは枕バネの下枠。バネはその上。図を見れば言われなくても判るか。
 EF66 95号機とは架空の機関車なのか。実在しない車号だ。図は55号機になっているので誤植と思われる。

●車両基礎ガイド2
ディーゼル機関車
電気連結器のキャプション
 電気連結器の事を「ジャンパ」とは言わないので表現が不適切。
 「ジャンパ」は文字通り「飛び越し線」の意で、ここでは電気連結器間を結ぶジャンパー線の事。
 だから電気連結器の事を「ジャンパ連結器」という事はある。
 この手の技術用語の混同がその後「鉄道データファイル」には続々と登場する。

●車両基礎ガイド3
クハ201の図
 戸袋はドアを指し、ロングシートは窓を指している。

クハ381の8。
 0~4が一般。5~8が優等列車、或いは長距離列車用。
 例1。特急形の嚆矢が151系、準急・急行形が153系、修学旅行用155系、特別準急用157系、修学旅行用159系、151系の山用が161系、153系の出力増強型が163系、163系の山用が165系、修学旅行用が167系、165系の横軽強調バージョンが169系。161系の出力増強形が181系。ここでなぜか7が飛んだ。交直両用特急形が481、483、485系。その昼夜兼用形が581、583系。以後、8が特急用として定着しているが、そう決まっているわけではない。
 近年、急行の衰退により、5を使用する特急電車が再登場している。
 例2。交直両用の通勤電車401、421系は3ドアセミクロスシート。その直流版が111系。0が1になったのは既にある4ドアロングシートの101系と区別する為。
別に0が通勤型で1が近郊型と決めてある訳でもない。

旧性能車の形式
 クモ:80系電車登場までは中間電動車が存在しなかった為、「クモ」は存在せず運転台があっても「モ」。従って、制御電動車に関しては「ク」が必須ではない。民鉄で多く使われている電動車を意味する「デ」に「クデ」が無いのはその名残と思われる。
 42:電動車を示しているのは「2」だけ。1位0~4が電動車、5~9が電動機なし。10位「4」は車体の大きさ。戦前は基準が曖昧だったが、後に4以上が20m級に区分されて番号を整理している。
 但し、新性能電車に旧基準の番号付与する際、空番利用をした為、151系電車に20番台を付与したりしているが、新番号基準で付与しなおして消滅させている。
 001:旧性能電車には000がトップナンバーの物もある。

●車両基礎ガイド4
新幹線の形式
 1位の数字は、集電装置の有無というより、電動車ユニットの奇数車、偶数車と言った方がいい。0系電車が全車電動車だったころの名残。
 後に100系電車でトレーラーが登場し、制御車が123型・124型、2階建付随食堂車が168型、2階建付随合造車が148型・149型とされているから、0系電車と整合性を取りつつ、1、2が制御電動車、3、4が制御車、5、6、7が中間電動車、8、9が付随車と区分された様だ。
 10位の数字の4の特別車(合造車)、5の普通車、6の食堂車、7の合造車が抜けている。
 以上は国鉄末期には使用されていた番号区分である。車輌基礎ガイド1のトップに「国鉄形式車輌の形式の読み方を解説します」とあるのだから、ちゃんと解説してくれないと困る。使用した資料が古過ぎた(100系電車の登場より前)可能性が高い。
 ちなみにJR化後もそのまま踏襲されているが、何故か1位の数字の8が500系電車だけ中間電動車に割り当てられている。
 なんで「鉄道データファイル」を見ながら、手持ちの資料をひっくり返さにゃいかんのだ。これは「鉄道データファイル」の執筆者の仕事だろ。

ファイル1「国鉄・JRの車輌」全般
各形式の主要諸元の表について。
 全長が、車体長、連結面間長、最大長がごっちゃになっている。
 251系電車は車体長になってる。
 151・161・181系電車は中間車は連結面間長になっているのに、クハ151は車体前端から後部連結面までの21250mm(連結面間長は21500mm)になっている。
 かと思えばクロ151、181は連結面間長の21000mmになっている。
 かと思えばクハ161、181、180は連結面間長21500mmの筈がそれより長い21600mmになっていて、かといって、連結器カバーを含めた長さにしてはちょっと短い。
 定義不明確の上に間違いが混在していると見られ、もうメチャメチャ。

1-006
8620型蒸気機関車

 66-1~2ページ本文。
 先台車の追従性についての「ボギー台車の構造に軍配が上がる」は駄文。
 8620形は復元装置を採用し、曲線上で先輪に第一動輪が追従して横動する。
 個人的には先輪と第一動輪を対として、台車の様に見立てたのではないかと推察する。

 66-2ページ主要諸元、及びシート3、66-6ページ本文。
製造メーカー
 川崎車輌→川崎造船所
 三菱重工業→三菱造船所
 恐らく、執筆者が参考とした資料には「川崎」「三菱」と略して書かれていたのだろう。ちゃんと調べるべきところを調べずに手を抜くとこういう間違いを犯す。

 66-4本文。
 8620形が、8620形より後に出た6760形を参考にする筈がない。
 ちなみに6760形は8620形とボイラ、シリンダを共通とした2Bテンダ機。

 前期、後期を18687号で区切っている根拠が不明。
 66-4ページの初期型の分類を見ると、炭水車の容量と連結器に触れられているが、炭水車の容量アップは3.1t→3.3t(9600形9618号からと同じ物)が8644号から、6tへは48637号から、自動連結器付で製造されたのは78694号からで、8620-18687の特徴を示す解説になっていない。

 8620形は大正15年に9600形と共に製造が打ち切られている。昭和4年に竣工したとされる2両は日立の見込み製造分(要するに在庫)を鉄道省が後になって買い上げた物らしいので注意が必要。

1-009
18900/C51型蒸気機関車
 76-2本文。
 改軌論が葬り去られた結果18900/C51形が登場したかの如く記述されているのは事実誤認。
 改軌論を支援する思惑で車輌課主導で無理やり造られた大型蒸機が18900形である。
 結果的に、狭軌で充分と自ら証明する事となってしまったのだが、ここの所を誤解している。

1-084
P.81-3、4、8
 カルダン駆動に対し、クイル式を何度も引き合いに出しているが、クイル式は電動機のばね上装架であるからカルダン駆動の一種と捕らえるべき。
 クイル式がその構造から振動が発生する事はあるにしても、普及しなかったのはスパイダとばねの分解調整が難しく、現場から敬遠されたと見る方が自然ではなかろうか。
 EF80のカルダン駆動がどのような方式であったのかちゃんと説明しないとクイル式を引き合いに出しても意味不明になる。81-3左下の文章では分かる人は少なかろう。
 鉄道データファイル全般に言える事だが、写真か図が一枚でもあれば明解になるのにそれが出来ないのは何故だ?
P.81-8左中
 「引張力の伝達をレール面に近い低位置で」は「引張力の伝達を車軸高さに近い位置で」とするべき。
 引張力伝達装置はボルスタアンカの類と解釈すべきで、この手の装置が車軸中心を外すと台車の機能が落ちると言われている。

1-136
301系通勤型電車
P93-4、クモハ300(川崎車輌製)のキャプション
 301系電車の雨樋の位置が高いのは、単に鋼製車と組み方が違うという工作上の理由だと思うのだが。
 側板上部に雨樋を乗っけた形になってるので、こういうのを張り上げ式と言い切るのはどうかと思う。

1-140
●SHEET14、113系2階建てグリーン車
 P79-7、本文左から2列目下方、「軽量ステンレスを使用・・・」。ステンレス鋼は通常の構造用鉄鋼に比べて軽量なわけではない。ステンレスを使用して結果的に鋼製車より軽量な車体を造る事は出来る。
●SHEET15、111・113系の編成(1)
 サロ111には車掌室がない為、車掌室のあるサロ153を格下げしたサロ110登場後は必ず車掌室のあるサロ110、サロ112、サロ113と組み合わせて編成を組み、サロ111を2両繋げる事はなかった。
 編成図(4~6)もそうなっているのだが、なぜか3両目のサロ110がサロ111と書かれている。誤記である。
 それから、サロ112には、サロ152からの改造車の他にサロ163からの改造車も存在する。外観上の一番の相違点は台車がTR69である事で、他に側窓の造作がサロ165と同じである点が異なる。
 ここのところはSHEET11でも欠落している。
●SHEET16、111・113系の編成(2)
 編成図(7)、千葉方面(右向き)先頭車の図はクハ111-1000の図なのにキャプションはクハ111-1500になっている。

1-157
SHEET5
 クハ153-501~の図のキャプション。
「前照灯もシールドビーム式のものとなり」
 すぐ隣に写真があるのに。このデカイ前照灯がシールドビーム式と言い放つとはビックリ。
 クハ153-1~を含めて、後にシールドビーム式に改造された車輌はある。

1-163
SHEET8
 クハ481-501、クハ481-502の図に静電アンテナがない。
 細かい事だが、サシ489-100への改造に際し、489系電車に合わせられたのは「車体高さ」ではなく、客室床面の高さ。

1-189
SHEET:03
E653系2次型
 E653系100番台などというものはない。
 4両編成のクハE653とクハE652が装備の変更で新たに100番台になっただけである。
 2次車として同時に製造された7両編成、及び4両編成の中間電動車の番号が1次車の追い番である事から明白である。
 重箱モードだが、電気空気圧縮機→電動空気圧縮機。

2-063
小田急電鉄
小田急電鉄は、「型」ではなく、「形」表記なのだが。
 9-23ページ
 向ヶ丘遊園のモノレール線車両500形は日本ロッキード製ではなく、川崎航空機製。日本ロッキード向けに造られたのを混同している。
 また、運行休止理由は台車の亀裂。廃止理由は修理費用が減価償却できないため。
 廃止時に小田急のプレスリリースの他、鉄道各誌が取り上げていたのに、それを参照していないかのような記述は遺憾。

2-189 ロマンスカー列伝黄金期
SHEET11:小田急電鉄3100系
 120-20ページ
 1999年7月16日まで残ったのは3181Fと3221Fの2編成。
 3201Fは7000形のトイレの真空式への改修工事が済んで予備車としての任を解かれ1999年5月12日付で除籍、直ちに解体されている。

 ところで、3100形の連接台車中心は連結面間の中心から30mm下り方にずれていて、上り先頭車(M1c)の全長は確かに16465mmなのだが、ならば下り方先頭車(M11c)は16405mmのはず。
 中間車の12400mm、編成全長144470mmに勘案しても下り方先頭車は16405mmとなる。
 下り方先頭車の台車中心間距離も24370mmという事になる。
 手持の資料をざっと見ても、どれも両先頭車が16465mmになっいて数値が合わない。
 いつの時期かは分からないが、恐らく小田急内部で公表用の諸元表を作成した際、転記ミスがあって、それがそのまま残ったのではないかと推察する。
 途中だれも検算しなかったのかな。

3-008
「あさま」
 36-22ページの写真は189系電車ではなく、489系電車。正面に貫通路(固定されている)はあるし(愛称表示機は小さい)、運転台上に前照灯はあるし、側面の客用ドアは各車輌1箇所しかなくステップはあるし・・・。

3-145
SHEET14
P97-30。
53.10東海道の編成(2)
「しらさぎ」の写真のキャプション。
「ボンネット型の485系300番台」
 写真見ながらキャプション付けていておかしいと思わないのか。それともどんなに短くてもボンネットと言い張るのか。
 ちなみにクハ485形に300番台区分はあるが、それが先頭に来ていたからといって、それを485系300番台というのは、ちょっとね。

5-044
中央本線塩尻駅
 塩尻には縁があって何度も訪れているので突っ込んでみる。
 駅の歩みのコーナーの「現地点に移設するまで、塩尻駅はホームが中央、篠ノ井両線の行き止まりにある、スイッチバックの形態を取っていた」と言う文章は意味不明である。
 中央線主体で見た場合、旧塩尻駅の場所は現在の短絡線の東側、いわゆる中央東線(地元の人は「ちゅうおうとうせん」と呼ぶ)側にあって、スイッチバックの形態ではなかった。
 ここから篠ノ井線が中央西線(地元の人は「ちゅうおうさいせん」と呼ぶ)側から分岐する様に北に延びていたのであって、かつては名古屋方と松本方を直通する列車が塩尻駅で方向転換をしていた(鋏の記憶のコーナーにはちゃんとそう書いてあるのだが)。
 従って、旧塩尻駅が篠ノ井線の行き止まりではあっても、中央本線の行き止まりにあったとは言い難い。
 週刊鉄道データファイル全般に言える事だが、図一枚、写真一枚あれば容易に説明がつく事を、何故文章で説明しようとするのだろう。かつては大門一番町の辺りに駅があったのだ。
 現地を訪れてみれば判るが、旧駅前の名残は今もあるし、ホームも1本残っている。弊サイトのトップページのE991系電車の写真は旧塩尻駅付近で撮ったものである。
 80-15ページの右上の写真の解説も疑問符がつく。スイッチバックの表現はさておいて、旧駅時代は上り方が東京方面のみ、下り方が名古屋方面、松本方面の2方向のみで、写真にある3方向に分岐する様になったのは、篠ノ井線側に駅が移転した後、みどり湖経由の新線が出来た後だからだ。過去を彷彿とさせると言うより、新線開通後の現在の塩尻駅の状況を如実に表している写真と言った方が良い。
 鉄道ジャーナル439号(2003年5月号)の鶴通孝氏執筆の「中央本線のまん中を歩く」P.39の記述の方が短くて適切であるので読み比べてみると良い。

7-004
界磁添加励磁制御
 界磁添加励磁制御の特徴は、複巻電動機ではなく、直巻電動機で安定した回生ブレーキを動作させる事が出来るという点がポイントで、そこを外した解説は的外れである。
 界磁制御にチョッパ装置を使っているかどうかとは直接関係なく、チョッパ装置を用いない電車であっても回生ブレーキを装備する場合は複巻電動機を使う事が多いという肝心なところが抜けている。なぜ複巻電動機を使用したのかが明確でないと、界磁添加励磁制御の技術的ポイントが見えない。
 電機子チョッパ制御は力行時の省エネが主眼であるが高価であったのに対し、界磁添加励磁制御は安価で効率の良い回生ブレーキが主眼であって、技術的なポイントが違う。この点は混同すべきではない。
 界磁添加励磁制御が「停車駅が少なく~長距離走行用の車両により向いている」、それはどうかな。停車駅の少ない列車はブレーキを使う頻度も少ないであろうから、回生ブレーキの省エネ効果も減ると思うのだが。
 「逆起電力」はコイルに流れる電流を増加させようとした時にそれを妨げる向きに生じる起電力を指し(直流電動機では回転に応じて整流子によって極性の切替があり、回転数が上がるのに比例して電流方向の切替も増える為、逆起電力も比例して大きくなる)、逆起電力によって電流が完全に相殺されたり(走行抵抗と均衡した速度で加速しなくなるが電流はゼロにはならない)、更に逆起電力が打ち勝って電動機が発電機になる事もない(エネルギー保存の法則に反する)。見かけ上の電気抵抗が増えるだけである(トルクが減って加速しなくなるが走行抵抗が増えるわけではない)。

7-007
軸箱支持方式のいろいろ
 下の解説
「ペデスタル式は旧型のイコライザ台車と新性能電車のコイルばね台車の2種を示す」
  →図の旧型の台車には前後の軸箱を結ぶイコライザがない。従ってイコライザ台車ではない。新性能電車の台車はウイングばねタイプとでもしておくべきであろう。
 図:IS式の軸箱右側のばねが描き忘れ。
 シュリーレン式:円筒がオイルダンパ併用になっているのがシュリーレン式。近畿車輛がスイスのシュリーレン社との技術提携によって製作した台車であるが、執筆者はテクノロジー事始めのコーナーで円筒案内式の一般名称として定着したとしている。しかし、当の近畿車輛自身も乾式を製作しおり、近車式円筒案内式としていてシュリーレン式と区別している。近畿車輛のサイトで技報が公開されている。
 どうも、見た目の類似性から乾式をシュリーレン式と誤解されたのが一人歩きしたと見るのが妥当のようで、執筆者もその誤解の上に立ってしまっているは残念だ。
 シュリーレン式の解説で「外側にオイルダンパを備えているのが普通」というのも意味不明である。そもそもシュリーレン式は円筒にダンパを兼用させており、別にオイルダンパを設ける理由がない。近畿車輛自身、ダンパが必要な車輌向けには、継続してシュリーレン式を製造しており、わざわざ乾式にしてオイルダンパを設ける理由もない(但し、乾式にオイルダンパを併設した台車も存在する)。
 シュリーレンという名に妙に執着している一方で、1953年に京浜急行600形で採用された軸梁式の台車が川崎車輌製のOK式である事に触れられていなかったり、ペデスタルにはばねの配置により数多くのバリエーションがある事には全く触れられていないのが残念、と言うか、データファイルの名にに似つかわしくないと思う。電車以外の台車に触れられていないのも片手落ち。
 もう一つ。テクノロジー事始めのところで、アルストム式が1953年に小田急電鉄デハ2100型で採用されたとあるが、2100形は軸ばねのペデスタル式軽量台車、住友金属FS-14を履いており、完全な間違い。アルストム式は1954年の2200形の住友金属FS-203が最初である。

7-009
吊り掛け駆動方式
 91-23右列
 「構造が簡単なうえ堅牢であり」は変な表現。
 壊れない様に堅牢にしたのである。堅牢にしやすい構造ではある。
 91-24左列では「頑丈に作らなければならず」と自身も書いている。
 概念図の通り、モーターのノーズ部の上下動があっても、車軸中心に円周方向に変位するのであるから、歯車のバックラッシは変わらない。
 従って、「91-24」左列「この変位を吸収するために」以下の文章や、概念図の「変位を吸収する遊びを作らなければならなず」は不適当な表現。
 吊り掛け駆動が独特な唸りを上げるのは、歯車の片当りや、それによる歯車の偏磨耗によるという事がよく言われたが、その事には全く触れられておらず、変位を吸収する遊びのせいであると固く信じているのには呆れてしまう。
 吊り掛け駆動は、その構造上、大歯車と小歯車の平行度を維持するのが難しいのだ。だから、歯車に遊びを設けていると言えるのである。

7-009.1
電動車ユニット
 電動車ユニットの説明の筈が、途中から編成単位の話に変わっている。
 そもそも、編成単位の考え方は、それだけでは走れない電動機を持たない制御車、付随車の登場に端を発する。
 1950年登場の国鉄80系電車で中間電動車という、電動車だけでは走れない編成を組む事を前提とした方向付けが出来たと考えられる。
 つまり、編成単位という考え方の発端はカルダン駆動の登場とは直接関係がない。

 103系登場以後M車にパンタグラフがあるのが標準というが、その後登場した183系電車では当初M車にパンタグラフがあったのが1000番台車ではM'車に搭載に変更されている。
 パンタグラフの搭載位置は民鉄同様、国鉄にも色々事情に鑑みて決められているのであって・・・。

7-010
蒸気機関
P24-28
 「スティーブン式のほか、ワルシャート式、サザン式、ベイカー式など各種がある」と断った上で、国鉄の制式蒸気機関車の多くがベイカー式であると連発!
 ワルシャート式とベイカー式は確かに似ているが、国鉄蒸機がワルシャート式であるのは疑いようがない。
 ワルシャート式がどういう構造か知らず、かつ国鉄蒸機の弁機構を理解しておらず、しかもベイカー式が国鉄蒸機の弁機構(=ワルシャート式)に似ていると言う認識しかない人が執筆しているのだと想像する。少しは調べて欲しい。
 ベーカー式の加減リンク機構は巧妙で私自身ちゃんと調べているわけではないが、少なくともワルシャート式の様に加減リンク上をラジアスロッド(心向き棒)が滑る構造ではない。
 どこをどう調べると国鉄蒸機がベーカー式となるのか極めて不思議。

 もひとつ、テクノロジー事始のコーナー。
 国産蒸機の過熱式第一号は大正元年(1912年)登場の初代9600型、後の9580型である。大正2年(1913年)登場の6750型ではない。

もうひとつ。
蒸気機関車のボイラ内部の図。
 過熱管からシリンダーまでの太いパイプが乾燥管になっているが、これは主蒸気管。
 加減弁から過熱管までの太いパイプが乾燥管。

7-011.2
電気式内燃車両
 鉄道省が電気式ディーゼル動車を開発したのは「編成列車を運行する為」。
 液体式が生き残ったのは、電気式の方が「故障が多かった為」。
 このどちらも欠落。
 キハニ36450が造られたのは昭和6年。昭和4年の「翌年」ではない。
 DF50の事ばかりせっせと調べてそれで力尽きたか。
 DF50の事はDF50の項に書けばよろしい。

7-017.4
軽量車体
・「ステンレスは(中略)軽量で強度に優れ、また錆びにくい特徴を持っている」
 ステンレスは普通の構造用鉄鋼より軽いって事はない。
 錆び難いから「ステンレススチール(錆びない鉄)」って名前が付いてるんで、錆び難くなかったら、それはステンレスじゃあない。
・「特殊な電機溶接工法」
 何が「特殊」なのか? 私が以前出入りしていた板金工場では、ステンレスと冷間圧延鋼板を電気溶接してたんで、「大丈夫ですか?」って聞いたら、普通に溶接できるって事だったが。
・「強度的に優れているため板厚を薄くすることが可能」
 ステンレスが機械的強度が高いのは認めるが、薄く出来る一番の理由は錆び難いから。
・「必要な剛性を確保するために波形にプレスされ(以下略)」
 ステンレスは溶接時の歪取りが難しく、それを目立たなくするのがコルゲートの主眼。塗装しないのでパテ付けで誤魔化せないというのもある。
 最近の車両にコルゲートがないのは、溶接位置を工夫して歪を目立たせないように出来る様になったから。それでもJRE209系電車などはくたびれて来て最近は凸凹である。
・「アルミ合金は300系以降の新幹線(以下略)」
 それより前の200系電車はアルミ合金車体で量産されてるんだが。
・アルミは「工作は容易」だが溶接は難しい。
・「近年(中略)独自のアルミ合金が(後略)」
 独自のアルミ合金が近年開発されたという情報を聞いた事がなかったので各メーカの資料を当たってみたが見つからず。情報のソース希望。複合素材や工法の事と混同してるのかな。

9-013
カルダン駆動
 中空軸平行カルダン
 電動機軸を中空として、その中に両端に撓み板継手を取り付けた軸を通した物である。
 一端に電動機出力軸、一端に歯車軸が取り付けられている。電動機の出力側の反対側に歯車箱が来る。撓み板を使用した等速ジョイントが電動機の中を通っていると考えると解り易い。
 距離を稼いで継手の撓みを小さくし、かつ変位許容量を大きくする為の構造である。
 従って、「駆動軸の両側から動力を伝達できる仕組み」は誤認か、或いは不適切な表現。

9-022
軽合金車両
 アルミニウムの比重2.68→2.699≒2.67。
 鋼鉄の比重→鉄の比重。
 金属はアルミ以外でも合金されて使用するのが普通。
 構造用鉄鋼も全て合金。純鉄は高価で使用できない。
 アルミ合金でも硬化処理して構造用鉄鋼並みに強度を持つ物(A7075T6とか)もある。
 鉄材を鉄鋼と呼ぶ事はあっても鋼鉄とは普通言わない。
 子供向けのアニメではあるけどさ、鋼鉄ジーグとか。
 「データファイル」なんだからさあ。

9-047
乗降扉
 小田急電鉄10000系(→10000形が正しい)電車に客用扉のない車輌はない。

9-058
ステン所
 参照項目→駅
 該当項目無し。

9-082
ダイヤフラム型
 バイクのタイヤみたいなゴムで出来た部分がダイヤフラム。
 下側に栓をする形で円盤が嵌め込んであり、その下に積層ゴムを置いて、台車に結合される。
上部には皿の様な形のものが伏せられるように被せられている。
と、言う事は、写真の説明文はおかしい事になる。
 ドーム状の部品が見られないし、ドーム状のダイヤフラムというのも変だ。ダイヤフラムはドーム状ではないし、ドーム状なのは、伏せられた皿状の金属製の部品である筈だからだ。写真はドーム型のパーツを必要としないボルスタレス台車用と推察される。
 しかし、ダイヤフラム型とボルスタレス台車を強引に結び付けているとは畏れ入る。
 ボルスタレス台車は、引張力を伝える場所がボルスタアンカから台車中心付近に設けた撓み板、あるいはリンクに置き換え、それによりボルスタを省略したものである。
 元々ボルスタアンカのない台車では、ボルスタ上の枕ばねの横剛性に動力伝達を期待していたわけだが、この点でもボルスタレス化により枕ばねの横剛性をあまり期待しなくても良くなった。
 このポイントを外してボルスタレス台車を引き合いに出しても、ダイヤフラム型空気ばねの特徴(主としてベローズ型との違いになろう)は見えてこないのである。
 ダイヤフラム型はベローズ型より横剛性をコントロールしやすい。その為、揺れ枕を省略できた。しかし、ダイヤフラム型の特徴とボルスタレス化は直接結び付かないのである。

9-086
W-Nカルダン方式
 WN駆動をカルダン方式と言い切ってしまうのもなんだと思うが、この項にはWN駆動とは何なのか、WN継手とはなんぞやという、肝心なところがすっぽ抜けている。
 また、WN継手は、撓み継手ではなく、自在継手の範疇に入る。
 WN駆動の狭軌での採用実績は昭和30年代からあり(小田急2220形など)、インバータ制御の登場とは直接関係はない。

9-099
中間冷却器
 「排ガスの熱で暖めながら送風する仕組み」
 いったいどんな仕組みなのか意味不明。
 ターボチャージャーは字の通りタービンによるチャージャー(過給装置)。
 タービンは排気圧で駆動される事が多い。排気温度の影響とタービンの過熱により吸気温度が上昇し、吸気が膨張する事により吸気効率が落ちる。
 別に暖めながら送風している訳ではない。
 タービンの事を送風機と言ってるのも、なんだかなあって思う。
 もひとつ、
 同じ項の写真のキャプション。
 「ターボチャージャーの出力を向上させた」
 冷却器付けてもタービンの効率は向上しない。
 冷却器はタービンを通って熱せられた膨張した空気を冷却させて吸気効率を上げるのが狙い。
 結果的に「エンジン出力が向上する」。
 そもそも、ターボチャージャーの出力って何?

 同ページ
中間連結器
 2.EF15とEF58は、昭和33年度分まで製造されているのだが。

9-100
中空軸平行カルダン方式
 「可撓式継手が2ヵ所あるためモーターの容量を大きくした場合にも対応しやすい」とあるが、2ヵ所といっても、軸の入力側(モーターの出力側)、出力側(歯車側)の両端なんで、力学的には直列。従って許容トルクは継手1個と変わらない。
 つまり、この文章は意味不明で力学的な根拠がない。
 構造写真まで載せているのに、何でこんな解説しか出来ないのだろうか。

9-100
「中継弁」の項の末尾の参照項目(→)の「中継弁」は不要。

9-100
鋳鋼製台車
 「最強の部材として鋳鉄が使用された」は不適切な表現。
 鋳鋼は圧延鋼板の半分くらいしか強度がないから、プレス板の溶接構造の台車に取って代わられた。
 鋳鋼も圧延鋼も鉄材だから、どちらも比重は8弱でほぼ同じ。
 鋳鋼製台車が重いのは、鋳造では肉厚を薄くするのが難しい事と、鋳鉄の強度が弱い事に起因する。だから「最強の部材」と言い切る執筆者の材料に対する知識を疑わざるをえない。
 「型枠を外して整形」は意味不明。焼鈍をして歪み除去の上、切削加工をするのが普通。
 重箱モードだが、設計図に合わせて造るのは木型。これを使って砂型を造る。
 データファイルなんだから、物づくりに見識のある人に執筆を依頼すべき。

9-104
直接駆動式主電動機システム
 「減速歯車装置と撓み継手を省略」
 インナーロータ型のJR東日本E993系電車では電動機軸に軌道からの衝撃を直接食らうのを防ぐ為、撓み継手は省略されていない。
 説明写真にもちゃんと写っている(電動機と左右車輪の間)。
 電動機は中空軸で、電動機軸の中に車軸が通り、車軸と電動機軸の変位を緩衝ゴムで吸収する。
 軌間可変試験電車GCTO1形はアウターロータ型で左右車輪を個別駆動し、電動機は車輪と一体になって車軸上を移動して軌間可変を実現している。こちらには変位を吸収する部材を使用せずに電動機と車輪が結合されている。

9-113
通票閉塞方式
 参照項目→タブレット閉塞方式
 該当項目無し。タブレット閉塞はある。

9-118
TR
 当初TRは国鉄台車全般に使われていた。
 TR14→DT10
 TR22→DT11
 TR25→DT12
 TR29気動車用
 TR36→DT13
 TR37→DT14
 TR39→DT15
 TR39A→DT16

9-119
DMH17型機関
 「オハ36900」。「オハ」→「キハ」じゃないのかな?
 手持の資料ではキハ36900なんだが。

 「ガソリン機関では引き出せる力に限りがあるため」
 鉄道省のディーゼルの開発の端緒は、ドイツ国鉄がディーゼル機関使用の高速列車を走らせた事によるのでは?

 昭和16年度にDMF17形が設計された?
 DMF17形を載せた試作車キハ42500形3両が造られたのは1937(昭和12)年3月。
 ちなみにこれより前、1934年にDMF13形が開発され、キハ41000の車体に搭載した試作車キハ41500が2両造られたのが1935年だった様だ。

 石油事情が悪化したのは1937年7月の日華事変から。鉄道省は1938年から代用燃料の研究に着手している。

 この執筆者も誤解している様だが、ディーゼル動車の高出力化の阻害要因は駆動機構、主として液体変速機であって、「ターボチャージャー」「インタークーラー」付きのエンジンを造ったとしても列車を駆動できなかったと言う視点が欠落。

9-122
ディーゼル機関車
 ここにも「ガソリン機関がディーゼル機関に比べると出力が小さい」と書かれている。この根拠が不明。
 色々調べてみると、ディーゼルに切り替わったのは、電気系統のトラブルが少ないと言うのが一番で、ガソリンの引火性(実際事故時に引火した事があったようだ)なども関係あるようだ。
 「DD51は合計約650両、DE10は約700両」と書いているのにDD51の写真のキャプションは「最多の649両」とある。最多はDE10だろ!

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