オリンパスE-P3

(2011年7月発売)

2012年1月15日新規

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オリンパスE-P3
小型のE-P3だが、VF-2を取り付けると高さはE-520よりも大きくなる。
アクセサリーシューカバー、グリップはホワイトに合わせた物が付いているのに、ストラップはカメラボディの色に拘らず真っ黒のみ。好みのストラップを購入してくださいと言う事らしい。
写真に写っているレンズプロテクターは一番安かったケンコーのものだが、PEN用にシルバーになっているのはいいけれど、内側は黒くしておいて欲しかった。
付属のグリップはイマイチで、大型グリップに交換して使う事にした。

 2011年7月に買ったレンズ交換式ミラーレスカメラです。

 E-3画質の普及機E-520を持っていましたので、E-5画質の普及機の登場を待っていたのですが、オリンパスは一眼レフの普及機を出す気配がなく、このE-P3をその位置づけに持ってきた格好です。
 EシステムレンズはE-520のキットレンズ2本の他に、運動会用に18-180mmF3.5-6.3、画質重視で14-54mmF2.5-3.5IIを買い足していますから、これらレンズを生かし、オリンパスで一番の高画質を望むとすればE-5になろうかと思います。
 しかし、あの巨大なE-5を連れ出すのは骨が折れるでしょうし、価格も20万近くと半端じゃありません。
 E-620の後継機は出ないのかと待っていましたが出る気配はなく、E-5と同等画質と思われるカメラがPENとして登場しましたのでこれを購入する事にしました。

 購入は、コンティニアスAFの利くマイクロ4/3のレンズもあった方がいいだろうとズームキットとし、カメラの色はホワイト、望遠の使用を考えてビューファインダーVF-2、マウントアダプターMMF-2を付けて、しめて14万円ほどになってしまいました。

 子細を見てみます。
 各部のレイアウトは見た目は整然としている方だと思いますが、メインダイヤルに十字キーの役割を持たせていたり、意外と複雑です。
 タッチパネルの使い勝手はまずまずです。

 カスタマイズ
 自分の使い方に合わせてカスタマイズします。
 まずはスーパーコンパネを表示する設定にします。これでE-520と同等の操作性になります。
 E-520の項でも触れましたが、ISの切替は素早く行いたい。Fn2ボタンにIS切替を割り当てました。
 Fn1ボタンにはMF-AFの切替を割り当てました。
 これで、一々MENUを降りて設定変更する手間が省けます。
 次に、メインダイヤルに露出補正、サブダイヤルにAモード時は絞り、Sモード時にはシャッター速度の設定が出来るように割り当てます。
 この設定にすると十字キーの△にある露出補正ボタンは使わなくなるのですが、ここに違う機能を割り当てる事ができません。
 これで旧来のカメラのような操作性を得る事ができます。
 モニターは色が派手です。デフォルトが「Vivid」になっています。迷わず「Natural」に変更しました。

 操作性
 フラッシュ内蔵のおかげでモードダイヤルが右手側に来て、操作性は格段に良くなりました。
 何で今まで操作性を犠牲にしてまで旧来のPEN-Fの形拘っていたのか不思議でなりません。
 その一方でPEN-Fはシャッターボタンが前端にあったのにE-Pシリーズでは上面にあって使い勝手はPEN-Fに劣るというちぐはぐな面もあります。
 私には標準のグリップがフィットせず、大型グリップに交換していますから、尚更シャッターボタンがもっと前にあればなあと思うのです。
 シャッター音は大きめです。ライブビューなのでシャッターは開きっ放しなんですが、撮影時に一旦閉じて開閉してまた開くという動作なんでカシャコンという感じです。
 ニコン1みたいに、常時開で電子シャッターで撮影できるモードがあれば静寂性が求められる時も安心して使えるのに、と思います。
 メインダイヤルは十字キーを兼ねていますが、十字キーのクリックが軽すぎます。ダイヤルを回しているつもりが十字キーが押されていて設定変更されてしまうことが度々ありました。
 バッテリーはフラッシュを使わなければ連続で600枚くらいでも大丈夫でした。

 画質
 カメラ雑誌のテストレポートのE-5とE-P3の記事を比較すると、画質は相当違うようです。
 まず、ノイズはE-P3の方が多いようです。これは、E-P3がセンサが常時動作していて熱によるノイズが乗っているのが一つの原因と思われます。
 AF時の倍速動作などと合わせて、センサには相当な負荷がかかっているのではないかと思います。
 輪郭強調処理はどこのデジカメでも多かれ少なかれやっていると思うんですが、E-5よりE-P3の方が強いようです。
 以上の点だけ見ても、E-P3はE-5のサブ機としては使いにくいだろうと思います。
 E-520と比較して劣ったと思われる点は、淡い色の低コントラストの被写体に対する「塗り絵」です。
 こんなのは今までキヤノン独自の超強力偽色除去処理の副産物だと思っていたんですが、E-P3でも暗部の描写で顔を出します。
 こういう事は、白黒チャートでは分かりません。カメラ雑誌各誌も、カラーの低コントラストチャートを使って「塗り絵」の出具合を調べても良かろうと思います。

 説明書にない機能
 カメラ雑誌を見ると、説明書にない機能があると書かれています。
 調べてみると見つかりました。
 MFアシスト機能はP.82の表には参照先のページがありません。実際に使ってみると分かるのですが、デフォルトですと拡大倍率が大きく、使い勝手が良くありません。
 実際にはMFアシストはP.32の拡大AFの拡大倍率の変更に連動しています。この事が説明書に触れられていないのです。
 他にもあるかも知れませんので、見つけたら追記しようと思います。

 レンズ
 14-42mmF3.5-5.6II R。小型です。軽いです。画質も充分です。フィルター径が37mmなんで、RAYNOXの5050PROを付けて遊ぶ事もできます。
 14-54mmF2.8-3.5II。フォーサーズ用レンズなんでアダプターMMF-2を噛まして使っています。ハイスピードイメージャAF対応のHGレンズはこれだけです。AFはストレスなく使えます。画質は申し分ないです。明るいレンズですのでAFの精度も良くなっています。
 18-180mmF3.5-6.3。フォーサーズ用レンズなんでアダプターMMF-2を噛まして使っています。ハイスピードイメージャAF非対応で、望遠側が暗いレンズなのでE-520でも望遠端での合焦は精度、スピードともにイマイチでしたが、E-P3では迷いまくりでよろしくありません。広角端での樽型の歪曲が目立ち、望遠端では像が締まりません。MFでのピントの山もつかみにくく、AFで合焦してからでないとMFアシストが利かない等、使い勝手もよくありません。10倍ズームは捨てがたいですが、望遠撮影はE-520のキットレンズだった14-42mmF4-5.6を使った方がストレスが無い様に思います。
 以上のレンズは3本とも、フィルター径がバラバラです。
 少しでも小型化しようという意欲は買いますが、フィルターを一々揃えるのは面倒です。
 今注目しているのは発売予告されている12-50mmF3.5-6.3。望遠側が少し暗いのが気になりますが、12mmスタートなので使い勝手はよさそうです。
   追ってE-PL3とのキットも発売予告されていますが、このレンズは防塵防滴ですし、EVF内蔵のミラーレスを出すとオリンパスは明言していますから、このボディが防塵防滴で、これのキットレンズとしてセット販売される可能性を考えると、しばらく様子を見たほうがよさそうです。

 AFについては、かなり高速であるのは間違いありません。しかしE-520の位相差AFの方が一発で決まる感じで、ミラーレスのコントラストAFは使用感がいまひとつです。
 画質は、カメラ雑誌各誌にあるほど大幅に良くなっている感じがしませんが確実に良くなっています。パソコンで等倍で見た時、E-520の1000万画素に対してE-P3は1200万画素ですから、等倍で見たときにE-P3の方が拡大率が大きくなっています。従って実際の画質の向上は感じているより大きいのだと思います。
 実際、A4程度のプリントですと、ISO1600でもノイズはほとんど分かりません。
 気になったのは、階調オートの時のダイナミックレンジの引き延ばしが今までのオリンパスカメラよりも大きくなっている点です。
 階調オートで露出補正を掛けた時の出来上がりがつかみにくいのです。

 E-P3、良くまとまったいいカメラです。
 オリンパスがフラッグシップというだけはあり、通常使用には不足はありません。
 バッグに気軽に放り込んで持ち出せる気軽さがあります。カメラは持ち歩いてなんぼですから。
 これでE-520はサブになりますから、手持ちのレンズと勘案し、今後どうレンズを揃えてゆくか悩むところです。
 フォーサーズの12-60mmがもの凄く高画質らしいんですが、ライブビューのAFが苦手らしいんで躊躇しています。これがハイスピードイメージャAF対応だったら買いなんですが。
 オリンパスのミラーレス機の今後のシリーズ展開が、PENシリーズの他にもう一つ出てきそうなんで、これからも楽しませてくれそうです。

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